Up 目的行動のプロセス設計の考え方 作成: 2010-04-03
更新: 2010-04-03


    目的行動でそのプロセスが「唐突」と言われないで済むのは,問題領域が線型である場合,すなわち直線に展開できる場合である。
    この直線を,時間軸に沿わせれば,自然なプロセスができあがる。 これは,「唐突」の誹りを受けないプロセスである。

    線型でない問題領域の場合,プロセスをつくるときは,《領域を無理矢理,直線に展開して時間軸に沿わせる》ということをやる。 そしてこのときは,必ず「唐突」の誹りを受けるプロセスになる。

    翻って,「唐突」を誹る者は,無意識に「問題領域は線型であることがアタリマエ」としていることになる。 そこで,「唐突」の誹りに対する説明の形は,「問題領域は線型でない」である。


    構成主義で構築した数学は,記号の導入,文法の導入,真理値の導入,公理の導入,推論規則の導入,定義,定理,証明,‥‥ のようになっている。 これをそのまま授業したら,「唐突」の誹りを受けない授業になる。
    一方,これは,人の受ける授業にはならない。
    授業は,もやっとした意味を示し,インフォーマルな形式を導入し,形式で意味を少し回収し,またもやっとした意味を示し,形式に進み,といった,ぐちゃぐちゃなプロセスになる。 「いまはもやっとしているけど,そのうちだんだん意味がわかってくるから」みたいなことを,あたりまえに言うわけである。 一つの主題にしても,学習進行をスパイラル構成にする。

    ひとにわかってもらうことに優先度を高くおくときのコミュニケーションは,このようである。 わかってもらおうとするときは,結果オーライを考えることになる。
    そこで,この場合思案することは,問題領域を無理矢理直線に構成して時間軸に沿わせるときの「無理矢理」の方法である。 「無理矢理」にも,<酷い>と<まだマシ>の差は出てくる。