Up 開始局面 作成: 2010-04-08
更新: 2010-04-08


    本論考の主題は,つぎのものである:
       数学教育講座が,「算数グループ」から「数学グループ」への名称変更を,自らが主体になって行動するものと認識し,そして実際に行動する場合,その行動はどのようなものになるか?

    そしてここまで,つぎの形について考察してきた:
      「算数グループ」が現れてくる場面でその都度「数学グループ」に書き換える。
      そして,20xx年度を移行期間にしてこれを実現する。

    この方法は,「算数グループ」の名称を使っている側に「名称の書き換えを依頼する」という形が主になる。 そして,依頼された側が「書き換えをしていいものなのか?」になると,そこでブレイクダウンしてしまうものになる。

    これに続くステージは,つぎのようになる:

      被依頼者が「書き換えをしていいものなのか?」を事務サイドに問い合わせることになって,本件が長の判断にまで上がる。
      数学教育講座は,名称変更の理由書を提出をする。


    この場合の「長の判断に相当」のロジックは,つぎのものである:

    1. 数学教育講座は,小学校教員養成を主眼とする課程の中に位置づく。
      そして,「算数」の名称は「小学校教員養成」に合わせたものである。
      (対偶:「数学」だと「小学校教員養成」にならない。)
    2. 「数学」だと「小学校教員養成」と合わなくなくなるので,他分校の課程とのバランスの問題が発生する。

    これに対しては,「理由書」においてつぎのように応えることになる:

      「算数」という教科専門性は,ない
      「算数」は「小学校数学 (primary school mathematics)」のことであり,これが学術的立場である。 実際,「数学教育学」の「数学」の意味は,「中学数学以上の数学」ではない。
      数学教育が陶冶する教科専門性にあたることばは,「算数」ではなく「数学」である。

    すなわち,「Aは誤解である」というのが,応えである。
    そこで特に,Bは論点にならない。

    ただし,「理由書」の内容の主要は,つぎのことの論述である:

      「算数グループ」の名称が,「数学は小学校教員養成のものではない」の思い違いを,学生にもたせてしまう。
      思い違いをした学生は,勉学を,違った方向に自分で勝手に向けてしまう:
      • 専門数学の不履修
      • 数学の学習から容易にドロップアウト
      • 《札幌校を文化系と見なす》と《高校時代は文化系コース》が相互助長