Up 小学校教員養成専一 作成: 2009-12-03
更新: 2009-12-03


    「法人化」施策の中には,「大学のリストラ」の項目があった。 これを免れるために「特色を出す」策に進み,「教員養成は,小学校教員養成専一」を看板にする大学になる。

    従来型教員養成は,中学・高校教員免許取得のコースで,教科専門性を陶冶していた。 小学校教員養成専一は,教科専門性のない小学校教員のアウトプットを意味する。 そして,いまこれが現実になってきている

    <教科専門性>のプライオリティを低めた課程再編がなぜ行われたかというと,そのような考え方をする人間が課程再編をリードしたということに尽きる。
    時代は,「総合学習」「ジェネラリスト養成」「実践力・即戦力」の考え方が主導する時代であった。
    「法人化」と「総合学習」が結びつく論理的必然性はない。二つが出会ったのは,時代の偶然である。 札幌校の「小学校教員養成専一」は,この偶然の所産である。

    教科専門性のない小学校教員のアウトプットが現実になっていくことは,「教員養成は,小学校教員養成専一」の課程再編が実効していることを意味する。
    課程再編は成功したということになる。
    しかし,「教科専門性のない小学校教員をアウトプットする大学」実現の成功をよろこぶ者は,大学の中でもいまはどれだけいるだろうか?