Up 学生の専門数学科目不履修の理由 作成: 2009-12-01
更新: 2009-12-06


    数学教育コースの学生は,専門数学科目の履修に消極的である。
    理由は,つぎのようになる:

    1. 数学の授業が難しい。授業に出てもわからない。」になる。
    2. したがって,中学や高校数学の教員免許をとろうとするときも,「免許取得上必要最小の単位数で済ませたい。」になる。
    3. また,「自分が入学した大学は,小学校教員養成専一の大学である。」の思いがあって,数学の科目履修がたいへんそうだと「小学校の教員免許がとれればそれでよい。」になる。


    A について
    数学の授業が難しい。授業に出てもわからない。」を,教員は学生の学力のせいにする。 しかし,問題の多くは教員の側にある。
    実際,この場合は,専門数学科目の不出来が問題の根本になっている。
    ( 専門数学科目の不出来)

    B について
    実際,教員免許取得のために必要な専門数学の単位数は,多くない:

    免許状取得のための最低修得単位数
    ( 教育職員免許法 別表第1)
    小学校教諭 中学校教諭 高等学校教諭
    専修 1種 2種 専修 1種 2種 専修 1種
    教科に関する科目 8 8 4 20 20 10 20 20

    「教科に関する科目」の内容
    ( 教育職員免許法施行規則 第3 4, 5, 6条)
    小学校教諭 中学校教諭 高等学校教諭
    教科に関する科目 国語(含:書写)
    社会
    算数
    理科
    生活
    音楽
    図画工作
    家庭
    体育
    代数学
    幾何学
    解析学
    「確率論、統計学」
    コンピュータ
    代数学
    幾何学
    解析学
    「確率論、統計学」
    コンピュータ

    中・高校数学教員の1種で「20」とは,「半期の授業を10個とる」ということであり,つぎのような科目履修で足りるということである:

    2年次 3年次
    前期 後期 前期 後期
    代数学 I
    解析学 I
    幾何学 I
    代数学 II
    解析学 II
    幾何学 II
    代数学 III
    解析学 III
    幾何学 III
    代数学 IV

    しかし,学生は,これでもたいへんにしている (→ A)。