Up 非常事態では合理精神の退行が起こる 作成: 2006-04-27
更新: 2006-04-27


    岩見沢校の「移行期間の旧課程運営」は,本来無理な計画のため,非常事態化の様相を呈している。

    非常事態では,合理精神の退行が起こる。
    「なりふりかまわず」が行動の形だ,というような思い込みが起こる。
    「理屈を言っている場合ではない」というような精神風土が醸成される。

    実際には,非常事態であればなおいっそうのこと,合理精神が求められる。
    非常事態での行動タイプは「ベスト・エフォート (best effort)」だ。
    与えられている条件 (the Given) においてどのような行動が最良であるかを,合理的に計算する。

    ところが,合理精神の退行で,「ベスト・エフォート」と「なりふりかまわず=ぐちゃぐちゃ」の区別意識がなくなる。
    想定外のことはあたりまえに起こるが,これに対応するのに,一つの変更が他へどのように累を及ぼすか,これを変更しないコスト/被害と他へ累が及ぶコスト/被害とどちらが大きいか,という計算をきちんと立てることをしない。
    ものごとの判断も,その場の雰囲気に左右されるというようになる。「思考停止」の態が蔓延して,組織的な感覚麻痺に陥る。

    感覚麻痺に対しては感覚覚醒で対決するという自覚を,組織員ひとりひとりがもたねばならない。 「ベスト・エフォート」の合理的計算をないがしろにするような風潮をつくり出してはならない。
    「合理的計算」は,さしあたり,「推論と判断を文章の形で自分および他に対して明示化する」という行動である。
    実際には,大学のような「知の府」であっても,非常事態においては合理精神の退行が容易に起こり,「推論と判断を文章の形で自分および他に対して明示化する」という行動タイプに対する<忌避・嫌悪・阻却>,そしてこれと同調して<遠慮>が起こり,この行動タイプは次第に消えていく。