Up 分断・切り崩しの組織論 作成: 2006-05-05
更新: 2006-05-05


    中央指導のトリーの中に身を置き「中央指導」の役を自ら任ずる者においては,中央指導が<善>である。 この善の達成は,中央指導の内容に異議を表明する者によって「妨害」される。 この妨害は,排除あるいは無効化されねばならない。

    また,中央指導 (=善) は,エリートが理解し得るものであって,大衆には理解できない。大衆が好きにものを言い始めたら,中央が指導する善はひっくり返されかねない。(だからこそ,「中央指導」の方法をデモクラシーに優先させているわけだ!)

    したがって,中央指導の達成は方略を要する。 大衆が好きにものを言い出しそうな機会を封じ,そして妨害者を少数化・孤立化させる──そのような方略。


    このとき通常とられる方略が,個別切り崩しだ。 切り崩しやすいところが見つかったら,そこを徹底的に突く。

    個別切り崩し策は,単純だが,ひじょうによく効く方法だ。 切り崩される側では,体勢の立て直しや修復がきわめて厄介でめんどうなものになる。めんどうくさくなって「どうでもいいか」となれば,中央指導側の勝ちである。

    個別切り崩しに対抗する方法は,つぎのものしかない:
個別切り崩しが起こっていることを周知し合い,
理によって,中央指導側が進捗を白紙に戻すしかないような状況をつくる。

      註: 中央指導のトリーの進化は,個の分断 (互いに疎遠な個) に至る。(例 : 密告社会) ──これに対抗する方法は,直接制の保持。