Up 実感のない緊縮財政 ─ 重点課題/学長裁量/役員人件費等 作成: 2006-05-15
更新: 2006-05-15


    執行部が唱える緊縮財政には,妙に実感が伴わない。
    イベント,セレモニー,企画ものも,盛んであるように見える。

    実感のわかない原因は,重点課題,学長裁量,役員人件費といった執行部裁量支出の不透明性。 この経費の内訳詳細や実質性が,示されない。

    とにかく,必要経費が削減されている一方で,これが何にどのように振り替えられているのか,さっぱりわからない。
    財務担当者も,<わからせる>ことの方には努力してくれない。(このあたりは,くどいほどやってくれないと困る。)


    『北海道教育大学中期財政指針(案) ─入るを量りて出ずるを制す─』でも,緊縮財政に係わる「重点課題」のソルーション的位置づけが明確でない。すなわち,「重点課題」への投資が後でどんなふうにどれだけ返ってくるかということには,何も触れられていない (下線は筆者による):

    II-2 必要な支出と重点課題への資源配分
    (2) 中期計画等の実施
    中期計画の実現に向けて戦略的に取組むための経費については、概算要求による特別教育研究経費で全ての予算を確保することが到底出来ない状況にあることから、業務の見直しや節約等による自己財源の確保が今後恒常的に不可欠となる。
    (4) 大学再編事業
    ・大学再編事業(21年度)を円滑に完了させるため、引き続き特別教育研究経費について、概算要求を行うとともに、当面必要となる経費を自主的に確保する必要がある。
    (5) 教育研究組織の更なる改編
    ・社会的な二一ズに基づいて教育研究組織を改編し続けることは、法人化後の大学の重要な課題であり、そのための新たな人的資源の投入は避けられない。当面、教職大学院の設置に向けて、相当数の資源投入が必至である。また、課題となっている各センターの集約に伴う改組にあたっても事務組織を含めた資源投入が必要となっている。


    「重点課題」のそれぞれを財政的ソルーションとしてどのように計算しているかは,忽せにできない論点である。(もしきちんとした計算の裏付けのない当て込みであったら,破産行為にもなる。)「はいそうですか」の呑気な受け止めは,決してできない。