Up 隠蔽体質と根回し政治 作成: 2006-03-10
更新: 2006-08-26


    法人化の事業として,大学執行部はさまざまな不合理を行う。 自ら生んだ不合理のこともあるし,評価委員会/文科省の描くまともでない大学像に付き従った結果の不合理もある。

    不合理を押し進めるためには,不合理を極力ひとからチェックされないようにしなければならない。 こうして,秘密主義/密室主義/内々主義/根回し主義がはびこるようになる。

    秘密主義/密室主義/内々主義/根回し主義は,合理化できるものであるとすれば,結果主義として合理化される。すなわち,「プロセスは結果において正当化される」というものだ。

    しかしこれは,組織をドロドロしたものにする。
    世界は所詮ドロドロしたもの。結果が出ればいいじゃないか。」という世界観が,ここにはある。(というより,《ドロドロがあたりまえになっていて,はなからドロドロを感じない》というのが,ホントに近い。──アタマがつくる世界観ではなくて,カラダが現す世界観。)

    これに対し,「世界は,ドロドロさせる者がいるからドロドロする。また,プロセスが切り離されたところに結果があるのではない。」の世界観がある。秘密主義/密室主義/内々主義/根回し主義は,この世界観の厳に退けるものになる。


    秘密主義/密室主義/内々主義/根回し主義は,秘密の共有を「信頼関係」の形とするという精神倒錯をつくり出す。この精神構造は,秘密の共有の仲間にならない者を不実な者と見なす。

      ちなみに,「デモクラシーの確立」を考える上で,これはひじょうに重要な点である。
      秘密の共有を「信頼関係」の形とする精神倒錯者にとって,デモクラットは端的に不実な人間になる。したがって,真に憎悪の対象になる。
      ここが,人間心理のひじょうに怖いところであり,秘密主義の政治は容易に恐怖政治になる。(恐怖政治は,それを行う当人にとっては,「不実な者の退治」に過ぎない。)


    「秘密主義/密室主義/内々主義/根回し主義」は「前衛主義」と合い通ずる。ただし基本的に,「前衛主義」は「デモクラシー」を以て退けるべきものであり,「秘密主義/密室主義/内々主義/根回し主義」の精神倒錯は,「プロセス=結果」の世界観を以て退けるべきものである。