Up 財政の硬直要因:5分校体制 作成: 2006-05-14
更新: 2006-05-23


    執行部は,財政難の理由をつぎの2つに帰す:
    • 国の緊縮財政路線
        運営費交付金収入の毎年減額
    • 北海道教育大学の収支構造
        収入 (運営費交付金以外) の硬直:学生納付金収入が大部
        支出の硬直:人件費が予算の8割

    しかし,最もおおもとであるつぎのことをきちんと言っていない:
5分校体制維持が,財政硬直のほんとうの原因

    「北海道教育大学のリストラ」の課題に対し,執行部は「5分校体制」継続の道を選んだ。 その時点で,いまの推移はわかっていた(単純計算!)
    従来体制をそのままにしたところに国の補助の純減がくれば,「ジリ貧」しかない。

      明らかに,いまの収入構造は変わりようがない。 ──執行部のいう「考え得る増収」の数値シミュレーションを行えば,このことがはっきりするだろう。
      支出削減も,「ジリ貧」の形しか選べない。 ──5分校体制で人も物も硬直しているので,思い切った組み直し (リストラクチャー) ができない。


    ちなみに,「ジリ貧」とは,民間企業では「支店の整理」に進むような状況のこと。「ジリ貧」を断つために「リストラ」へと進む。「リストラ」を嫌がって「ジリ貧」に進むというのは,本末転倒なのだ。

    国の補助削減の「底打ち」を想定しない形においては「ジリ貧」に進む。「ジリ貧」を断つとなれば,5分校体制の見直しということになる! ──リストラはやるときにやっておかないと後々どうしようもなくなる,ということだ。


    「中期財政指針(案)」は,経費削減がいろいろ述べられているが,「ジリ貧の回避/解決策になっているのかなっていないのか」という視点からは作成されていない。この視点に立てば,回避/解決までの数値シミュレーションをきちんと示す形のものになる。しかし「指針」は,「きつい状況だ!執行部方針に従え!」とただ言っている態だ。


    参考:

    (1) 2006年度の収支予算から
    (2) 「ジリ貧」と「リストラの狙い」を単純化して表すと:  
    • ジリ貧の構図:



    • 国の補助削減に対応できる弾力的な体制 (人員の自然減を使える等) にリストラしていた場合: