大学の教員組織は,一つの専門家集団である。
ここでの「リーダー」(すなわち,学長) は,専門的な力において個々を圧倒するというものではあり得ない。
多様な個のシナジーを上手に起こす能力が,「リーダー」に求められる資質になる。
すなわち,「リーダー」のタイプをつぎの A, B を極にして考えるとき,学長は Bタイプである:
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リーダーの仕事 |
リーダー投入の理由 |
リーダーの要件 |
例 |
A |
部下に仕事を与え,協働を管理・制御し,ゴールに到らせる |
仕事をつくってもらう |
ひとに与え,指示できる程度に,その仕事を知っている |
大学のゼミ指導教員 |
B |
部下の協働をコーディネートする |
仕事の統合における方針を決定してもらう |
協働をコーディネートできる |
リストラのため,畑違いのところから経営者をスカウト |
ここで,コーディネート能力の要素として特に重要なものは:
- 「個の多様性」の理解,「多様な個で形成される組織」の哲学・理念
- 活発なコミュニケーションの体勢作り
- 本質的につぎのことを考える (この問題を組織員に投げ返す)
- 組織の本分・価値
- タイムスパン (仕事のタイムスパン,仕事の効果が現れるまでのタイムスパン,効果持続のタイムスパン)
- 資源の重点的配分
- 費用対効果比
- 各種経験値の高さ
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