Up はじめに  


1 「国立の教員養成系大学・学部の在り方に関する懇談会」は、平成12年8月に設置され、文部科学省(当時文部省)から、教育現場で生じている困難な課題や新たな教育課題に的確に応えられる力量ある教員を養成していくため、長期的観点に立った国立の教員養成系大学・学部の在り方に関し、検討するよう依頼された。

2 同年8月28日に第1回会議を開催して以来、今までに18回の会議を開催し、検討を重ねてきたが、その際、特に次のことを基本において議論を進めてきた。

我が国の社会が大きく変化するなか、学校教育の諸改革が喫緊の課題となっているが、その成否を左右するのは教員である。教員養成の重要性にかんがみ、将来を見通して、国立の教員養成大学・学部が果たすべき機能の充実を図る観点から検討すること。

開放制の教員養成の中で、一般学部における教員養成と教員養成学部における教員養成とでは、その在り方は必ずしも同じとはいえない。一般学部における教員養成の在り方は、別の観点からの検討が必要であるという前提のもとに、本懇談会は、教員養成を目的とする国立の教員養成大学・学部の在り方の観点から検討すること。

教員養成の在り方や教員養成大学・学部の果たすべき役割については、今まで教育職員養成審議会(現中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会)等において様々な指摘が行われている。特に、平成9年7月から平成11年12月までの3次にわたる答申は、教員養成大学・学部の在り方に大きく関係するものであるが、本懇談会においてはできるだけそれらとの重複を避け、国立の教員養成大学・学部独自の観点から検討すること。

3 なお、現在、国立大学の法人化の検討のほか、大学の構造改革の一環として、国立大学の再編・統合の検討が進められている。教員養成大学・学部も国立大学の組織の一部として、当然これらの改革とも深く関係するものであるが、ここでは、それらの動向は直接検討の対象とせず、教員養成の今後の在り方という観点から検討したものである。

4 本懇談会としては、精力的に検討を重ね、ここに今後の国立の教員養成系大学・学部の在り方についての検討結果をとりまとめた。今後、文部科学省並びに関係大学・学部において、この報告書を踏まえ、早急に改革に取り組まれることを期待する。