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前述のように、新課程の入学定員は教員養成学部の入学定員の約4割に達しているが、その内容をみると次のように大別できる。
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環境教育、情報教育、国際理解教育、カウンセリング・マインドの育成等教員の職務に密接に関連する分野
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生涯教育、社会教育、生涯スポーツ等の指導者養成や児童福祉等学校教育に関連する分野
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社会福祉、地域政策等地域の企業や公共的機関で必要とされる人材養成に関する分野
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芸術文化、総合科学、国際文化等教養に関する分野
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これらの新課程に対しては、次のような好評価がなされている面もある。
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もともと教員養成学部は、教員志望の者だけでなく、広く地域の高校生の進学希望に応えてきたが、新課程の設置によって更に多様な進学希望に応えられるようになった。
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新課程の設置によって、多様な授業科目が開設され、それが教員養成課程の学生にも提供されることにより、教員として求められる幅広い知識や教養を身に付けさせるのに役立っている。
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他方で、新課程に対しては、次のような問題点も指摘されている。
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教員養成を目的としない課程の設置によって、教員養成の専門学部としての性格があいまいとなっている。
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同一の教員が教員養成課程と新課程の両方を担当しているため、学生に対する教育研究指導の責任体制が双方において不十分となっている。
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教員養成学部の教員の中には、ややもすると教員養成という目的に関心が薄い者がいるが、教員養成を目的としない課程が設置されたことによって、教員の教員養成への求心力を失わせている。
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新課程は、もともと既存の教員組織の範囲で教育課程を編成し、教員養成学部の中に置かれているため、設置の趣旨が十分に発揮されていないケースがある。また、その課程の今後の発展という点において限界がある。
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新課程のこれまでの実績を踏まえて、それぞれの新課程の性格をより明確なものにし、設置の趣旨をより発展させていくためには、教員養成学部の組織として設置しておくことが適当かどうかを検討すべき時期に来ているといえる。
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