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このうち、「学部における教育に関する研究に協力」という目的に関してみると、ほとんどの大学では大学・学部の教員と附属学校の教員の共同研究にとどまっており、附属学校の児童、生徒、幼児が大学・学部の教員の研究に協力する形で十分活用されているとはいえない状況にある。
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その背景としては、次のようなことがあげられる。
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大学・学部の教員が、附属学校を必要とするような研究にあまり取り組んでいないこと。
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附属学校は通常の学校教育を行いながら頻繁に教育実習や附属学校独自の研究開発を行っており、そのうえに大学・学部の研究に協力することは、子どもたちの教育に支障を来たすという意識が附属学校の側にあること。
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附属学校の教員人事が、都道府県等の教育委員会の公立学校の教員人事の一環として行われているケースが多いため、附属学校が大学・学部の組織の一部であるという認識が薄いこと。
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附属学校の教員数は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」に定める標準数ぎりぎりであり、かつ、1学級当たりの児童、生徒数が40人となっていることから、附属学校の側が協力する余裕に乏しいこと。
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教育実習については、概ね良好に行われているが、一部に、1教室当たりの実習生が多すぎ実習が形式化している、学部の側が実習生を附属学校に預け放しで、実質的な指導が十分に行われていないなどの批判がある。
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なお、附属学校自体は様々な教育課題について率先して研究開発を行い、研究会などを通してその成果を公表している。そのことが地域において指導的あるいはモデル的学校としての一定の評価を得ており、附属学校の一つの機能・役割として定着しているという実態もある。また、地域の公立学校との人事交流を通じ、公立学校教員の研修にも役立っている。
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