Up (1) 学部教育で身に付けさせるべき資質  


今後の教員に求められる資質能力については、教育職員養成審議会第1次答申「新たな時代に向けた教員養成の改善方策について」(平成9年7月)に詳しく述べられている。そこで述べられていることは、一般学部における教員養成にも該当するものであるが、教員養成の専門学部である教員養成学部には、特に努力が求められる事柄である。

現在、学校現場には、前述したような社会や学校を取り巻く大きな変化の中で、例えば次のような様々な課題が山積しており、これらに対する教員の果たすべき役割はかつてなく大きくなっている。
・   自ら学び自ら考える力など「生きる力」の育成
・   総合的な学習の時間、「ゆとり」の中での特色ある教育、心の教育の推進
・   情報教育、環境教育、国際理解教育の推進
・   いわゆる活字離れ、理数科離れと指摘される状況への対応
・   いじめ、不登校、いわゆる学級崩壊への対応、カウンセリング・マインドの育成

前述の第1次答申において、養成段階で修得すべき最小限必要な資質能力として「採用当初から学級や教科を担任しつつ、教科指導、生徒指導等の職務を著しい支障が生じることなく実践できる資質能力」をあげているが、教員養成学部に対しては、基本的な資質能力の育成はもちろんのこと、学校現場の様々な課題に取り組んでいくことができる力量ある教員の養成が期待されている。