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教員養成学部の学生は、主として就職上の必要性から複数の教員免許状を取得する傾向が強かった。平成12年3月卒業者のデータでみると、卒業生の82.1%が複数の免許を取得している。それに伴い、修得単位数も増加し、161単位以上修得している学生が42.8%にも及んでおり、単位制度の形骸化が指摘されていた。その背景としては、免許取得上必要という理由の下に授業科目の履修を学生の任意に委ねていたことが考えられる。
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前述の登録単位数の上限の設定により、修得単位数の改善が図られつつあると考えられるが、この趣旨を徹底するとともに、単位制度の実質化を図るため、シラバスの作成、事前・事後の学習の明確な指示の義務付けなど、責任ある授業運営や成績評価の厳格化を図ることが求められている。
ここで求められるのは、大学としての自己規律であり、複数免許の取得が就職のために必要であるということで黙認するのではなく、教授すべき内容を精選するとともに、その内容の修得を徹底させていくことが結果的に大学教育の質の向上、ひいては教員となるべき学生の質の向上につながると考えられる。
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学生が多くの単位を修得している理由の一つに、採用側が複数の免許状を取得していることを原則にしたり、あるいは優先的に扱うために、そうせざるを得ないという事情がある。教員の専門性を重視する観点から、大学側における免許取得上の指導が求められるが、採用側においても、これらのことに関して特段の配慮が望まれる。
なお、現在、中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会において、例えば中学校教員免許状取得者が小学校の高学年の授業を担当できるようにすることも視野に入れた、教員免許の弾力化について検討されているが、これらの審議状況にも留意していく必要がある。
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