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以上の3つの区分の担当教員が共同しつつ、体系的なカリキュラムの展開に向けて独自の専門領域を創っていくためには、教員の意識改革だけでなく、教員養成学部にふさわしい教員をどのように確保していくかが重要な課題である。
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教員養成学部の教員の出身学部・大学院をみると、教員養成系が19.6%、非教員養成系の教育学部が15.3%、一般学部等が65.1%となっており、特に教科専門の担当教員は、一般学部等の出身者が82.9%を占めている(平成12年5月1日現在)。
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平成8年度に教員養成学部の博士課程が設置されたため、今後教員養成系大学院の出身者が増えていくことが期待されるが、当面は前述の傾向が大きく変わる ことはないと考えられる。また、いろいろな学部・大学院の出身者が教員となることは、教員養成学部の活性化の面から好ましいことともいえる。
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ただ、一般学部の目的と教員養成学部の目的とは異なるものであり、その出身者は教員養成学部の教員になるまでは教員養成の在り方という観点からの教育は受けていないのが通常である。それらの者が教員養成学部の教員になった場合は、「教員養成はいかにあるべきか」あるいは「学校における授業はいかにあるべきか」という観点から教育研究に当たることとなる。
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したがって、教員養成学部に採用されてから学部の目的と教員個々人の志向に齟齬が生じないよう、教員募集時に、必要とされる資質能力や役割を明確にしておくとともに、採用後にも教員養成学部の教員として取り組むべき教育研究の内容等について絶えざる自己研鑽を求め、教員養成学部にふさわしい教員を確保していくことが必要である。
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教員養成学部は、学校の現場と密接に結びついた実践的な学部であることから、教員を採用する際、教員免許状の取得や学校現場における何らかの教育経験を有することを条件とすることも考えられる。また、必要に応じ採用後も附属学校の授業の担当等を通じて、学校現場との接触を保持していくような取組も推進していくべきである。
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また、教員養成学部としてふさわしい教員を確保するとともに、教員養成学部独自の専門性を高めるシステム作りという観点から、例えば教員養成カリキュラムの確立という観点に立ったシラバスの作成、定期的なファカルティ・ディベロップメントの実施等、具体的な取組を行っていくことが必要である。
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これに関連し、教育委員会等との連携により、特に学校現場を熟知した者が教授するにふさわしい科目については、教員養成の充実の観点から、現職教員や指導主事を非常勤講師等として積極的に活用していくことも求められる。
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また、特に教科専門科目の担当教員について、各大学における教員審査の改革を促す意味で、大学設置・学校法人審議会における教員資格審査の在り方についても検討されることが望まれる。
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