Up ムード先行の課程再編 作成: 2010-03-25
更新: 2010-03-25


    「法人化」としての北海道教育大学再編で,札幌校の教員養成課程は,中学・高校の教員養成を (潰さないまでも) 見えなくするように,つくりかえられた。 理由は,他分校との差別化である。

    そして時代は,従来型を恥じるムードがあった。
    「教育学部」は,教員養成から教育一般へ,さらに「人間開発」へと変えることが,スマートだと思われた。
    これは,別に不思議なことではない。 文明開化や廃仏毀釈運動がよく示すように,人は従来型を否定することに熱狂するのである。
    そして札幌校は,「小学校教員養成」をモダンにしたつもりで,「基礎学習開発専攻」を立てる。

    また,その時代は,「ゆとり教育」の時代であった。
    「ゆとり教育」は,「総合的な学習の時間」を重点科目として打ち出す。 そして教員はこの授業を担当できねばならないというわけで,教員養成系大学・学部には「総合学習」の科目をおくことが法律で定められた。
    札幌校は,この動きにも過剰反応して,「総合学習開発専攻」を立てる。
    教科教育は,「生活」が総合学習開発専攻に入ることで,基礎学習開発専攻と総合学習開発専攻に分断される格好になった。

    そしてこの後,時代は「ゆとり教育」の否定へと動く。 教員養成系大学・学部の「総合学習」の科目が,法律改正で無くなる。
    そして,「総合学習開発専攻」が梯子を外された格好で残る。
    ブームに乗るとは,こういうことである。