Up 専門性軽視の課程編成──数学教育の場合 作成: 2008-12-17
更新: 2008-12-17


    北海道教育大学札幌校の新課程 (小学校教員養成専一課程) における専門性軽視の押さえとして,従来型数学教育講座の教員の担当する科目がどのように変わったかを,下の表に示す。

    ここで,「表科目」が公式の科目である。
    数学教育担当教員は,本来,これらの科目を担当する分だけ揃えればよいというわけである。
    科目編成も科目名も,端的に専門性軽視を表している。

    ところで教育大学というものは,小学校教員養成専一課程では立つはずがない。
    そこで,中学数学教諭 (さらには高校数学教諭) の免許を出せるための科目を,「裏科目」の体(てい)で保持することになる。
    この結果,数学教育担当教員の担当する科目は,従来型のときよりも多くなってしまう。
    この奇態こそが,新課程づくりをリードした考えが浅薄であったことを示す,端的な標しである。

      一方,裏科目を揃えない教科は,表科目担当に足るだけの規模の教員体制になる。

従 来 型


選択科目 数学
情報機器の操作
 

実践教育科目 教職論
総合演習
 



 


小学校 算数科教材研究
中学校 数学科教育法I(前半)
数学科教育法I(後半)
数学科教育法III(前半)
数学科教育法III(後半)
高等学校 数学科教育法II
数学科教育法IV
小学校教科専門科目 小学算数
 






代数学 代数学I
代数学II
代数学III
代数学IV
代数学特論I
代数学特論II
幾何学 幾何学I
幾何学II
幾何学III
幾何学IV
幾何学特論I
幾何学特論II
解析学 解析学I
解析学II
解析学III
解析学IV
解析学特論I
解析学特論II
確率論・
統計学
統計
コンピュータ コンピュータ
教科又は
教職科目
数学概論
数学教育
卒業研究 卒業研究



  
札幌校 新課程

表 科 目(基礎学習開発専攻)
教養
科目
大学入門科目群 情報機器の操作
大学入門ゼミナール
現代を読み解く科目群 数理科学の世界
専門
科目
実践教育科目 教職論
総合演習
教育実践フィー
 ルド科目
教育フィー
 ルド研究
教育フィールド研究IV
教科指導科目 小学校
教科指導法
小学校算数科教育法
教科内容
研究科目
及び
専攻科目
教科内容
研究科目
小学校算数
専攻科目 算数学入門
数の理解
図形の理解
数量関係の理解
集合と論理
卒業研究 卒業研究
研究発展科目 代数学 I
幾何学 I
 
裏 科 目          
   中学校
数学科教育法
中学校数学科教育法I
中学校数学科教育法II
中学校数学科教育法III
中学校数学科教育法IV
高等学校
数学科教育法
高等学校数学科教育法I
高等学校数学科教育法II
代数学 代数学II
代数学III
代数学IV
代数学V
幾何学 幾何学II
幾何学III
幾何学IV
幾何学V
解析学 解析学I
解析学II
解析学III
解析学IV
解析学V
解析学VI
解析学VII
確率論・
統計学
統計I
統計II
応用数学 応用数学
コンピュータ コンピュータ