Up <反-専門>の「改革」キャンペーンに流される 作成: 2008-05-20
更新: 2008-05-20


    「法人化」に入ってからの国立大学は,「改革」キャンペーンに際しては思考停止のモードに入り,にべもなくこれにやられてしまうところになった。
    思考停止は,生物としての人間の深い体質からくるもののようであり,知性・理性の如何とは関係がない。
    大学も,流行やバブルの雰囲気に,簡単に嵌る。

    「法人化」の趣旨は,大学を市場原理・商業主義が貫徹する場に改めることである。 「大学経営の改革」とともに「大学教育の改革」が,行政によってこの立場から描かれ,国立大学に下知される。

    国立の教員養成系大学・学部の「改革」を描いたものは『今後の国立の教員養成系大学学部の在り方について(報告)」であり,実際,国立の教員養成系大学・学部はこれを「改革」のテクストとして用いた。

    この「大学教育の改革」の主調の中に,「学生満足」「実際性/実用/実利」と「これに反している専門の授業」がある。
    この調べに,国立大学は「反-専門性」の形の過剰反応をする。
    すなわち,授業の大衆化と実用的授業の新設・増設に,一生懸命になる。