Up 「ミサイル防衛」利権 : 要旨 作成: 2023-08-26
更新: 2023-08-26


    ひとは,生物学の謂う生物である。
    ひとの生活は,《自分が生きられることをする》である。

    ひとのその<生きる>は,<金を得る>である。
    金を他から取ってくるためには,「お題目」をつくる。
    うまい「お題目」ができれば,これに金が投資されることになる。
    その金を取れる生業をつくればよい。

    こうして,金が得られる「お題目」は,利権を形成する。
    「再生医療」とか「脱炭素」とか,‥‥。
    そしていま勢いがよいのが,「ミサイル防衛」というわけである。


    「お題目」には,「いかがわしい」の含意がある。
    そのいかがわしさで大事なのが,「大風呂敷」である。
    ひとは「大風呂敷」を示されると,内容に思考停止する。
    そしてこの思考停は,信仰に転じる。

    ひとの生き方は必ず,大風呂敷の題目に騙され洗脳されるという生き方になる。
    時代が変わってもひとが何一つ変わらないように見えるのは,ひとの生き方がこのようなものだからである。


    さて,「ミサイル防衛」だが,ひとは「ミサイルは迎撃される」の頭に洗脳される。
    その「迎撃」のイメージは,「百発百中」である。
    しかし「ミサイル防衛」というものは,バスケットボールのディフェンスのようなものである。
    野球の好投手の球を,打者がバットの芯にとらえるようなものである。
    迎撃できなくて普通なのである。


    ロシアのウクライナに対するミサイル攻撃は,1回に 20発程度,多くて 50発といったところである。
    ウクライナは,その多くを迎撃しているふうに宣伝しているが,それはミサイル迎撃態勢がわりあいしっかりしているところに,ミサイルが飛ばされているからである。
    標的を散らされ,そして数多く撃ち込まれたら,迎撃はお手上げである。

    ミサイル攻撃がこじんまりとしたものになるのは,ミサイルはタダではないからである。
    ロシアがウクライナに撃ち込んでいるミサイルだと,1機が1億円弱。
    これの生産も,1か月に数十機がせいぜいといったところ。
    ミサイル攻撃は,費用対効果比でやっているのであり,経済がミサイル攻撃を抑制するのである。
    ロシアにしても,いまの規模のミサイル攻撃で戦局を変えられるとは思っていない。


    「ミサイル防衛」は,「ミサイル防衛」利権のお題目である。
    利権は,「ミサイル防衛」をしたいのではない。
    「ミサイル防衛」のお題目で金を得たいのである。
    彼らは,「どうせ迎撃できない」がわかっている。
    そして「どうせ迎撃できない」でかまわないのは,「核ミサイルでなければ,戦局を変えるものにはならない」がわかっているからである。

    強調するが,「ミサイル防衛」利権は,「どうせ迎撃できない」がわかっている。
    なぜなら彼らは,「防衛できないミサイルの開発」のお題目を立てて金を得ようとする者でもあるからである。
    「ミサイル防衛」利権は,「防衛できないミサイルの開発」利権なのである。
    彼らは文字通り「矛盾」で商売している。