Up | 用心棒 : 要旨 | 作成: 2023-08-01 更新: 2023-08-01 |
政権が「有事」と思う事態が発生し,そして政権がこれへの対応方法は暴力であると定めるとき,政権は兵士にその暴力を行わせる。 兵士は,このように存在するものである。 この意味で,兵士は政権の用心棒である。 ──兵士のこの本質を直接表すものが, 「傭兵」である。 政権は,権力の「政治」面である。 これと「兵士は政権の用心棒」を合わせて,兵士は権力の用心棒である。 兵士は, 兵士は──戦そのものが好きで兵士になったのでなければ──その死に意味をつけることになる。
雇用で兵士になった者は,少なくとも「金の代償の死」の意味をつけることができる。 徴兵で兵士になった者は,少なくとも「強いられる死」の意味をつけることができる。 悩ましいのは,志願して兵士になった者である。 志願して兵士になる者は,自分の死を崇高にしたいと思う者である。 彼らは,死に「国のための死=国民の命を守るための死」の意味をつける。 しかし,兵士は,あくまでも権力の用心棒である。 権力の用心棒の死は,「国のための死=国民の命を守るための死」にはなってくれない。 兵士としての務めは,「国のための務め=国民の命を守るための務め」にはなってくれない。 兵士は,自分の思いと現実 (特に軍組織の現実) の乖離に苛立つことになる。 ひとは,現実に適応する。 兵士は,組織の員としての分を越えないように務める者になっていく。 翻って,適応できない者は,兵士を辞めるしかない。 そのとき彼らは,どのような考え方になっているか? ロジックとしては,つぎの2タイプがあることになる: よって,だいたいがAタイプになる。 |