Up | 領海侵犯 : 要旨 | 作成: 2023-07-25 更新: 2023-07-25 |
即ち,「領空侵犯」が法的用語であるのに対し,「領海侵犯」はそうではない。 防衛白書にも,「領海」「侵犯」のことばは出てくるが,二つを合わせた「領海侵犯」のことばは出て来ない。 どういうことか? 海は,国際法 (国連海洋法) で,「無害」であればだれがどこを通ってもよいことになっているのである。 では,マスコミが「領海侵犯」と報道しているあれは何なのか? 「国際法上の無害通航に該当しない航行をする可能性がある」と表現される航行である。 これに対する海上保安庁・防衛省の行動は,それが無害通航に該当しないかどうかの監視行動である。 中国の艦隊が尖閣諸島に接近する。 中国の側に立って言えば,これで文句を言われる筋合いはない。 「領海に入って来る」と「無害通航に該当しない」は別のことである。 実際,その通航に対して「無害通航に該当しない」の判断が下されることは無い。 「無害通航に該当しない」となったときの行動は,武力の発動ということになり,それは戦争につながる行動になるからである。 中露の合同艦隊が津軽海峡を通る。 中露の側に立って言えば,これで文句を言われる筋合いはない。 これは,国連海洋法が定める「通過通航権」で許されている。 「行儀が悪い」と「違法」は,別のことである。
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