Up 太陽活動と氷河 作成: 2021-12-21
更新: 2021-12-21


    気温を上げ下げするものは,いろいろ考えられるにせよ,雲量が断トツに大きい──桁違いに大きい:
      気温は地表の熱が空気に伝達することの結果であるから,地表が熱くなれば気温が上がり,地表が冷めれば気温が下がる。
      地表を熱くするものは,日射である。
      したがって,地表を冷ますものは,日射を遮るものである。
      それは,雲である。
    まとめ:<雲減少 → 気温上昇>

    氷河が同じ姿であるとは,つくると消えるが均衡しているということである。
    氷河が後退しているとは,氷河がつくられていないということである。
    氷河をつくるものは,雪である。
    そして,雪のもとは雲である。
    よって,氷河が後退しているとは,雲が少なくなっているということである。
    まとめ:<雲減少 → 雪減少&気温上昇 → 氷河後退>

    <気温上昇 → 氷河後退>ではない。
    <雲減少 → 雪減少&気温上昇 → 氷河後退>である。
    因果関係を間違わぬよう。


    こうして,気候変動は,雲量変動として考えることになる。
    そこで問題は :
      「雲量変動は,何がこれをもたらしているのか?」

    求めれば得られるものである。
    脈のありそうな糸口が見つかった。
    それは,Bond (2001) である。


    Bond (2001) は,北極気候変動が太陽活動に連動していることを,データで示す:
      北極気候変動を,年代ごとの<氷河が海域Aへ運ぶ礫の量>に表現する。
      太陽活動を,磁場変動として,年代ごとの<炭素14 (14C) とベリリウム10 (10Be) の量>に表現する。
      この2つの表現は,なんとつぎのように重なる:
礫量 ─ 14C 量
礫量 ─ 10Be 量

    太陽活動と氷河生成は,どうつながるか?
    こういうストーリーになる:
      太陽活動が弱る
      → 地球を覆う太陽磁場の宇宙線遮蔽力が弱り,地球に降り注ぐ宇宙線量が増加
      → 雲量が増加
      → 雪増加&気温低下
      → 氷河前進
      太陽活動が強まる
      → 地球を覆う太陽磁場の宇宙線遮蔽力が強まり,地球に降り注ぐ宇宙線量が減少
      → 雲量が減少
      → 雪減少&気温上昇
      → 氷河後退

    ここで<宇宙線 → 雲>は:
      <宇宙線 → 二次宇宙線 → 微粒子=雲核 → 雲>

    問題は,これが実際に<氷河の死命を制する>規模のものなのかどうかである。


  • 引用文献
     G.Bond, et al. (2001) :
      Persistent Solar Influence on North Atlantic Climate During the Holocene,
      Science, vol.294, 2001. pp.2130-2136.

  • 参考Webサイト