Up 定常とは,循環の平衡のこと 作成: 2021-12-11
更新: 2021-12-11


    ひとは,氷原が変わらずにずっとあることを,融けないからあるのだと思う。
    北極海の氷原が減少していることを,これまで融けることがなかったのが融け始めたのだと思う。
    そして,気温が上昇してその暖気が氷を融かしていると思う。
    氷河があちこちで後退・減少していることについても,暖気が氷を融かしていると思う。


    水の温度は氷点より上である。
    北極海の氷原は,下は水なので,絶えず融けている。

    北極海の氷原がそこにあるのは,融けないからではなく,融ける分だけ氷がつくられているからである。
    定常に見える氷原は,<つくる>と<失う>の均衡の相である。


    氷原の(かさ)は,降雪によって保たれている。
    氷原を拡大させるものも,降雪である。
    即ち,零下の大気と接する海面は,薄く氷結する。
    ここから氷原が形成されるには,氷をつなぎつつ厚くするものがいる。
    これをするのは,氷自身ではなく,降雪である。

    したがって,北極海の氷原が減少するとき,その直接の原因は,降雪の減少である。
    加えるより減るの方が大きくなるので,氷原の減少になる。


    氷河があちこちで後退・減少しているが,これも考え方は同じである。
    氷河をつくるのは降雪である。
    氷河の後退・減少は,降雪が減少していることを示している。


    「降雪の減少」は,つぎの2つがある:
    1. 雲量の減少──晴れが多くなる
    2. 雲量は変わらず,雪ではなく雨が降る
    北極海の氷原の減少,氷河の減少は,どちらになるか (どちらが要因として大きいか) ?


    ひとは,気温上昇が氷を融かすと思っている。
    しかし氷地帯は,気温が数度上がったくらいでは氷は融けない。

    100度の水 (お湯) に触れたらやけどだが,100度の空気ではやけどしない。
    両者の違いは何かというと,熱伝導率の違いである。
    氷地帯の氷を融かすものは,これを浮かべている水か,雨である。