Up 全球的 作成: 2022-01-10
更新: 2022-01-10


    気象現象は,大気の現象として,一般につぎのことを考慮することになる:
      余田 (2011), pp.473,474
     地球の1周 40,000km に対して対流圏の厚さが約10km, 長寿命大気成分の混合比が一定となる乱流圏の層さが約100kmであり, 大気の縦横比は 1/100 - 1/1,000 程度と非常に薄いので, 相変化や化学反応により生成・消滅する寿命の短い大気微量成分は時間的空間的に不均一にならざるをえない。
    また, 地表面でのエネルギーや物質の交換は,そこでの気象条件に依存して時間的空間的に大きく変動している。
    このような物質やエネルギー,運動量の輸送混合過程は基本的に非線型であり, 空間平均した物理量で閉じた予報型方程式系が存在しない。‥‥‥


    一方「宇宙線 → 雲」メカニズムは,つぎの見方をするものになる:
      「宇宙線進入は全球一様,その効果は<薄い大気層の縦方向ダイナミクス>」
    よって,<薄い大気層の横方向ダイナミクス>であるところの「物質やエネルギー,運動量の輸送混合過程の非線型性」の論点は,一応わきにおける。
Svensmark (2008), p.42


    引用文献
     余田成男 (2011) : 太陽活動変動の地球気候への影響
      所収 : 柴田一成・上出洋介 [編著]『総説 宇宙天気』, 京都大学学術出版会, 2011
     Svensmark, H., Calder, N. (2008) :
      The chilling stars - A new theory of climate change
      Totem Books, 2008.
      桜井邦朋[監修], 青山洋[訳]『"不機嫌な太陽" ──気候変動のもうひとつのシナリオ』, 恒星社厚生閣, 2010.