Up | 気象学の嘘 :「エルニーニョが地球規模の気候に影響」 | 作成: 2024-06-23 更新: 2024-06-23 |
気象には,「原因・結果」というものは無い。 各気象現象は,「巡り巡って生じている」というものだからである。 エルニーニョは,巡り巡って生じているものである。 地球規模の気候が,エルニーニョを生じさせていることになる。 しかし気象学に言わせると,「エルニーニョが地球規模の気候に影響」になってしまう。 ひとは,相関が見える2つの現象に,因果の関係をつけようとする。 ひとは,事象を因果の線に並べようとするのである。 しかし,複雑な力学系の時間的流れは,ネットワークの遷移である。 ネットワークの遷移に「因果」はつけられない。 一点の海水温は変動する。 緯度の違いは日射量の違いになり,日射量の違いは海水温の温度・比重の違いになり,そして比重の違いは海水が動くということである。 海水の動きは複雑で一定しないので,一点の海水温は変動する。 その変動する温度を測りグラフをつくると,上下動を繰り返すグラフになる。 (上下動しないとは上昇しっぱなしあるいは下降しっぱなしということであるから,上下動を繰り返す形になるのはアタリマエのこと。) この上下する温度値の平均をとり,これをその点の平均海水温と定める。 平均温度から上がって平均温度に戻る形を「山」,平均温度から下がって平均温度に戻る形を「谷」,と呼ぶ こうして「中部・東部太平洋の赤道付近の海水温」も変動し,変動グラフは山と谷を繰り返す: 赤道から南北4度,西経90〜150度海域の表面海水温の変化
時期がクリスマス (キリスト El Niño の誕生日) の頃なので,この海水温上昇を「エルニーニョ」と呼んだ。 この海水温上昇は1年以上にわたることがあり,これを気象学は「エルニーニョ現象 El Niño event」と呼ぶ。 さらに, 「エルニーニョ現象」のことを短く「エルニーニョ」と言い慣わしている。 気象学は,「エルニーニョ」を起点とする「風が吹けば桶屋が儲かる」調の因果フィクションを紡ぐ。 なぜこれがフィクションかというと,この因果論は「ウォーカー循環」が前提であり,そして「ウォーカー循環」はフィクション (妄想) だからである, 「エルニーニョが地球規模の気候に影響」は,「ウォーカー循環」破れとして説かれる。 「ウォーカー循環」は,つぎの絵になるものである: ひと,そして気象学は,これが騙し絵であることに気づかない。 この絵の騙しのトリックは,「スケールをインチキする」である。 大気の層の厚さは,約10km。 それより上空は空気が著しく薄くなり,「大気循環」のような空気の流れにはならない。 さて,図の「ウォーカー循環」の幅は,東経170度から西経90度まで。 この間 100度,距離にすると,
こんな薄さでは,「ウォーカー循環」図が示すような<上下面で反対方向の大気循環>は,起こらない。 実際,このようなタテ・ヨコ幅比の層で起こる大気の運動は,「ベナール対流」がモデルになるのである。
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