Up 温室効果 作成: 2023-05-16
更新: 2023-05-16


    気象学は,太陽放射に対し「地球に入った分は地球からそっくり出て行く」と考える。
    さらにこの「出て行く放射」を「黒体放射」とみなし,ステファン・ボルツマンの法則の適用として,地球の温度 (地表温度) を計算する。
    すると,温度は −18 ℃ になる:
    しかし気象学が実際の地表温度としているのは,平均で15°C。
    気象学は 15°C と −18 ℃ の差を説明する論として,「温室効果」「温室効果ガス」の論をつくる。


    「温室効果」は,つぎの「地球の熱収支」の図で,赤丸で囲んだ部分になる:
山賀進「大気と太陽エネルギー」から:


    囲んだ部分の上り下りの放射は,数値の条件が「差が18」だけである。
    そして,数値を小さくとれば「温室効果が小さい」,大きくとれば「温室効果が大きい」,となるわけである:

    しかし「差が18」は,気象学のアタマの中の条件であって,自然の条件ではない。
    気象学は,「放射の平衡」の自然の機序を,知らない。
    絵図では「温室効果」を小さくしたり大きくしたりできるが,自然がそれを許すかどうかは別問題である。
    何にしても,自然の平衡の機序は,足し算・引き算ではないのである。