Up 気候 : 要旨 作成: 2023-09-19
更新: 2023-09-20


    つぎは,科学の大体の共通認識 (通説) となる:
      「少なくとも50万年くらい前から以降の気温変動は,氷期・間氷期の繰り返し」

    「氷期・間氷期の繰り返し」は,つぎのようなグラフになる:
https://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Ice Age Temperature.png から引用:
( "EPICA", "Vostok" は,データの採取に使った南極の氷床コア)

    グラフの単位は,"Thounsand year",千年である。
    氷期・間氷期の周期は,約10万年。
    現在は,温暖の盛りのところに位置する。
    これまで通りだと,これから 10万年かけて氷期に至る。

    10万年は,100年の 1000倍。
    氷期・間氷期の1周期を経験するには,100歳を1000回生きねばならない。


    ひとは,気象の変化でパニックになる。
    こんなことはこれまで無かった」と騒ぐ。

    ひとは,気象の年変化の平均を,気象の変化だと思っている。
    そこで,この変化から外れる気象に遭うと,これを「異常気象」と呼び,「気候変動」だと騒ぐのである。

    こんなことはこれまで無かった」が「自分の経験上」であることをわきまえていても,「自分の経験上」の時間がどれほどのものであるかを知らない。
    気候を論ずるのに十分な長さの時間だと思い,「こんなことはこれまで無かった」を「気候変動」の話にする。

    これは,ひとが気候を知らないということである。
    気候は, 《10万年以上の時間スパンで,それらしいものが見えてくる》といったものである。
    ひとが気象の変化でパニックになるのは,自分で勝手にパニックになっているのである。


    地球は自転している。
    これは,日周期の気象変化を現わす。

    地球は太陽を周回している。
    そして地球の自転軸は,この周回面に対し傾いている (周回面に対する平行・垂直の方向からずれている)。
    これは,年周期の気象変化を現わす。
    ──日本だと,この年周期の気象変化は「四季」になる。

    太陽は,活動している。
    地球も,活動している。
    そしてともに,気象の変化を現す。

    太陽ないし地球のその活動は,地球の自転および太陽周回運動から独立している。
    したがって,太陽ないし地球の活動が表す気象変化は,気象の日変化および年変化から独立している。
    この気象の変化が,「気候」ということになる。


    繰り返すが,気候は10万年以上の時間スパンでそれらしいものが見えてくる。
    地球の気候の歴史」を言い出すときは,時間スパンが数億年以上になる。
    億年は,万年の1万倍である。
    100歳の100万回分である。
    100歳を1秒としたら,11日と半分。

    人間が気象の数値データを採取・保存し出したのは, せいぜい 200年を溯るくらい。
    そして,人間は持続可能な生き方をしていない (実際,持続可能な生き方ができない) ので,この先1万年はとても保たない。(実際,千年先もあやしいといった趣きである。)
    結局,人間は気候を見ることなく種を終えるというわけである。