Up はじめに 作成: 2023-09-06
更新: 2023-09-06


    気象学は,長くやることで,インチキな論を大量に貯め込むことになる。

    学者は,業績をつくろうとして,思い込みでインチキな論をつくり発表する。
    数学のように公理的方法で体系を構築していく学だと,インチキは論理によって退けられる。
    逆に,そのような方法が叶わない学は,員の間の<騙し騙される>で理論がつくられていくことになる。
    気象学はこの場合である。

    こうして,気象学はインチキな論を大量に貯め込んできた。
    そして,それらをインチキな論とは思わず,後生大事に使い続けている。


    現前の気象学教科書は,この気象学をテクストにしたものである。
    読者は,インチキな論に振り回されることになる。

    しかし読者は,気象学を立派な学と定め,自分を初心者と定める者であるから,インチキな論を無理矢理飲み込もうとすることになる。
    そして,どうしても飲み込めないときは,自分の未熟 (頭の悪さ) のせいにする。
    こうして教科書も,<騙し騙される>の関係性で成立している。


    気象学の教科書は,気象学の中からは改まらない。
    個人が気象学に籍をおくとは,気象学の既成に同調せねばならないということだからである。

    というわけで,ここに,気象学の教科書を自分でつくってみることにした。
    わたしは気象学の門外漢であり,気象学に対し遠慮せねばならぬものは無いからである。

    教科書作成の理由はこのようなので,教科書作成の立場は,インチキな論,無用な論の徹底的排除である。
    即ち,「オッカムの剃刀を振るう」である。
    というわけで,教科書のタイトルは『新しい気象学教科書──オッカムの剃刀版』とする。