Up 「温度」: 要旨 作成: 2023-09-16
更新: 2023-09-17


    「温度」は,本テクストの中で最も抽象度の高い内容になる。
    これの理解のためには,数学的な形式的思考が要求される。
    しかし気象学をする上では,避けて通れない内容である。

    実際,これを等閑視するとどうなるか。
    現前の気象学のように,「熱エネルギー」の語を間違って使うようになる。
    「熱エネルギー」を便利なことばにして,間違った言説を濫発するようになるのである。

    今日,物理学の「温度」は,統計力学で定義される。
    気象学は,古典的な熱力学をベースにしている。
    気象学が「温度」の概念に疎く,「熱エネルギー」を間違って使うのは,このためである。


    「温度」]の内容は抽象的に見えて,取っつきにくい。
    しかし抽象的に見えるということは,意味がわからないということである。
    意味は,卑近で直感的で具体的である。
    ここでは,この意味を最大わかりやすくコンパクトに説くということをやってみる。