Up CO2 元凶論のお里 (イデオロギー) を押さえる 作成: 2021-12-10
更新: 2021-12-10


    CO2 元凶論のお里は,「エコ」イデオロギーである。
    このイデオロギーの本体は,つぎのルサンチマンである:
      地球資源の大量消費に邁進し,自然を破壊している人間が憎い。
      彼らを徹底的に懲らしめないことには,気持ちがおさまらない。
      彼らの悪行を事細かく取り上げ,弾劾しよう。

    このルサンチマンは,自然現象を見るとき,目に「人の悪行がもたらした災害」のフィルターを付ける。
    そして異常現象を求め,見つけたらこれに「人の悪行がもたらした災害」のレッテルを貼る。


    温故知新
    昔,「酸性雨」が流行った時があった。
    その時は,木が枯れるのは「酸性雨」のせいであった。

    摩周湖を囲む木の中に集団枯れがあるのを捉えて「酸性雨」を弾劾する,なんてのも現れた (本になった)。
    もちろん,これはデマゴギーである。

      多くの木は,クローン繁殖する。
      灌木の類は,特にそうである。
      クローン繁殖は,古くなった部分を順次枯らしていく。
      この場合の枯れは,死ではなく更新である。
      広く拡がったクローン集団は,体内時計が同じなので,枯れが同時に起きやすい。
      この時,ひとは集団枯れを見ることになる。
      そして,目に「酸性雨」のフィルターを付けた者がこれを見れば,「酸性雨が木を枯らしている!」になるというわけだ。


    時代は変わっても,ひとのルサンチマンの形は変わらない。
    今の流行りは,「CO2」である。
    「エコ」イデオロギーは,自然現象を見るとき,目に「CO2 排出がもたらした災害」のフィルターを付ける。
    そして異常現象を求め,見つけたらこれに「CO2 排出がもたらした災害」のレッテルを貼る。