Up 高層天気図の等高線の意味と含意 作成: 2022-12-18
更新: 2022-12-18


    つぎは,高層天気図 AUPQ35 の下図の 500hPa 天気図:

    橙色に着色したのが「等高線」で,線上の 5700 とか 5520 とかの数値が高度 (m)。


    気圧の変化は連続なので,気圧が 500hPa の空中の点全体は,連続した面を形成する。
    この面は,起伏がある。
    高層天気図の等高線は,この起伏を表したものである。


    さて,この等高線は,各高度における等圧線──例えば高度 5400m の等圧線──のように見ることができる。
    即ち,高度の大小に気圧の大小が対応する。

    どういうこと?

    起伏を横から見てみよう。
    つぎのように,起伏を上から切断する:




    ここで,断面の高度 5400m の3点 A, B, C をつぎのようにとる:

    一般に,鉛直軸で気圧を比べると,高いほど気圧が低い。
    A は,上方に 500hPa の点があるので,気圧が 500hPa より高い。
    B は,気圧が 500hPa。
    C は,下方に 500hPa の点があるので,気圧が 500hPa より低い。

    そして気圧のこの順位は,天気図に A, B, C を射影したときのその点の高度の順位と同じになる:

    さらに,この断面図で
     《 高度 5400m 線と 500hPa 線に挟まれる面に幅をもたせた立体は,空気の密度が一様》
    を仮定とすると,
     《 高度 5400m 線上の点の気圧の順位は,これを天気図に射影した点の高度の順位と同じ》
    が結論される。