Up 低気圧の発生・発達・消滅」とは 作成: 2023-02-16
更新: 2023-02-17


    「低気圧」は,鉛直対流の上昇流渦柱に対応する。
    上昇流渦柱が発達するのは,下降流渦柱に挟まれる格好になるときである:
    このとき隣合う渦が互いに加速し合い,特に上昇流渦柱が発達するというわけである:

    上昇流渦柱の発達は,じきにピークを迎える。
    大きくなることは,己を保つことが難しくなることなのである。
    こうしてそれはばらけていく。
    「低気圧の消滅」は,「小さくなって消える」ではなく,「ばらける」である。


    以下,この模様を,2023-02-09 JST 09:00 ASAS 地上天気図のつぎの赤○で囲んだ低気圧 (以下「低気圧」) の推移で,見ていく。


    この時刻の earth.nullschool.net の 850hPa面天気図 (風速) は,つぎのようになっていて,赤丸部分の上昇流・下降流の渦は小さい。

    そして同日 JST 21:00 の AUXN 500hPa 面天気図には, 「低気圧」はまだ現れるに至らない:


    それから段々と,下降流・上昇流・下降流の並びが形成され,「低気圧の発達」となる::
10日 JST 09:00
JST 21:00
11日 JST 09:00
JST 21:00

    11日 JST 21:00 の地上天気図は,

    また,同時刻の AUXN 500hPa 面天気図では,「低気圧」がつぎの赤○で示した<等高線の出っ張り>に現れている。


    「低気圧」のピークは,13日 JST 21:00 の天気図に見られる:
カムチャッカ半島の東まで移動





    「低気圧」は,ASAS では 15日 JST 09:00 から,枠の外に出る。
    そして,この日の earth.nullschool.net の 850hPa面天気図 (風速) には,つぎのように「低気圧」の渦の崩れが現れている (白線で表示の部分) :
15日 JST 09:00
JST 21:00

    AUXN (同日 JST 21:00 ) では, 「低気圧」が<等高線の出っ張り>に現れている: