Up 『高層天気図の読み方』: はじめに 作成: 2023-01-28
更新: 2023-02-14


    気象学は,高層天気図で<偏西風の蛇行>に着目すること,そしてこれをつぎのように読むことを,教える:
       kishounomoto
    南に蛇行した部分 (形状) をトラフと称しているので、基本的にトラフは北側の寒気を伴っています。‥‥
    気象庁は季節予報を発表していますが、1ヶ月予報では偏西風の蛇行の予測を利用しています。
    例えば、偏西風が南へ蛇行すると予想される場合は、気圧の谷が通過する(=高度が下がる)ので低温と予測します。


    <偏西風の蛇行>は,これを天気の兆候のように用いるのであれば,巻雲を雨の兆候として用いたりするのと同じであり,有効である。
    しかしこれが,偏西風の蛇行を天気の原因のようにひとに思わせてしまうときは,問題である。
    現に,気象学が偏西風の蛇行を天気の原因のように教えている ( 気象学は高層天気図の読み方を間違う ) ので,なおさらである。

    兆候は,それが示唆する物理の原因ではない。
    巻雲は,雨天の原因ではない。
    これと同様に,偏西風は天気の原因ではない。


    というわけで,「高層天気図の読み方」で特に強調しなければならないのは,天気の構造に基づいて読むということである。
    本テクストは,この「天気の構造に基づいて読む」を論ずるものである。