Up | 「冬の暖気・雨」の大気構造 ── 2023-01-13 JST 21 天気図の解析 |
作成: 2023-01-14 更新: 2023-02-24 |
このときの大気の状況は: |
冬の暖気・雨は,つぎの二つが合わさったときの現象である: ○ 気象庁 地上天気図 |
これは,大気のどのような構造の現象なのか? 以下,高層天気図で,これを見ていく。
500 hPa 高層の −30度等温線を,2022-12-19 の「寒波襲来」のものと比較: |
橙線:等高線
青線:−30度等温線 |
大気の構造は,この場合 AUXN 500hPa 天気図が見やすい: |
橙線:等高線
青線:−30° 等温線 赤丸と青丸は,それぞれ地上の低気圧と高気圧の位置 ここで注目する「L」を,紫に着色 |
「低気圧」は上昇流に対応している。 即ち,上昇流は地上から空気を吸い上げ,地上に低気圧をつくる。 所謂「温帯低気圧」は,これである。 北方の赤丸低気圧は,これに該当する。 ○ earth.nullschool.net 500hPa |
北極を真ん中に据えた天気図
上の AUXN 500hPa 天気図で着色した2つの「L」を,印する: |
この図では, 「左のL」の渦が見えない: |
下降流か上昇流かを見る高層天気図として AXFE 700hPa があるが,「左のL」「右のL」のどちらとも AXFE 700hPa の表示領域から外れてしまう。 ○ AXFE 700hPa |
縦線:上昇気流
赤丸・青丸:それぞれ地上の低気圧と高気圧の位置 |
この場合,FEAS 850hPa 天気図が使える。 ○ FEAS 850hPa |
「左のL」には,樺太の北の気圧の急斜面が対応しているように見える: |
橙線:等高線
青線:−18度 等温線 |
○ AUPN 300hPa |
橙色:等高線
緑線:80kt 等速線 赤丸・青丸:それぞれ地上の低気圧と高気圧の位置 |
「左のL」が存在感を増している。 ○ earth.nullschool.net 250hPa |
○ AUPA 200hPa |
このとき天気図は,つぎのようになる: ○ earth.nullschool.net 70hPa |
二つの白丸が二つの「L」に対応する。 備考:<上昇流終端=下降流始端>の配位 このイメージは,間違いである。 低気圧は,広がりが 千km スケールである。 これに対し「上昇流・下降流の追跡」の上下降スケールは,70 hPa 面でも 18 km 前後である。 「対流圏」は,高さ 10 km くらいで考えている。 空を見上げたときの 10km は,すぐそこである。 思えば,「高層天気図」は実質 10km の空気層をずいぶん薄くスライスして,気象を表現しているわけである。 |