Up | 気温変動グラフの読み方 | 作成: 2022-08-28 更新: 2022-08-30 |
その「地球温暖化」は,何を指しているのか? つぎの温度変動グラフである: |
地球温暖化の危機を合唱する者は,このグラフの読み方について考えない。 実際,読み方を考えると,地球温暖化の危機を合唱することが難しくなる。 彼らは,グラフの線がただ右上がりであれば,満足である。 気温は,1日の中で大きく変動する。 季節によって大きく変動する。 同じ季節の中でも大きく変動する。 それなのに,グラフの縦軸の目盛りが 0.1度刻みなのはどういうわけか? グラフが示す気温は,「平均気温からの気温の偏差の平均」である。 以下,この意味を説明する。 「平均気温」の概念は,実はひとには難しい。 ひとは「1日の気温の平均」と言われたら,例えば「1時間ごとに気温を測って,その値を平均する」みたいに考える。 しかしこれに対しては,「朝,昼,夕方,晩と4回測って,その値を平均する」や「1分ごとに測って,その値を平均する」もある。 これらの「平均」は,みな同じなのか? ──同じにはならない。 「平均気温」は,論理的概念である。 「平均気温」は,<連続的に変化する気温>の平均である。 「平均」を離散的変化の平均でしか考えられない者は,「平均気温」を理解できない。 「平均気温」の理解は,高校数学レベルの積分の修得が要件になる。 例えば,関数 f( x ) = − x2 + 1 の区間 [-1, 1] での平均を「2/3」と求められること:
「平均気温」は,先ず「測候所の気温の平均気温」である。 この「平均気温」が<連続的に変化する気温>の平均かというと,そうではない。 実際に採取できる気温データは,離散的である。 しかしまあ平均気温になっているとしよう。 各測候所に対し,つぎの作業をする: つぎに,各地域に対し,つぎの処理をする: この「地域」に日本をあてはめれば「日本の気温変動」となり,世界をあてはめれば「地球の気温変動」となる。 こうして作成される「地球の気温変動」は,かなり怪しいものになる。 測候所は,ひどく偏在している。 即ち,人が集中している所 (気温が上昇しやすい所) に偏っている。 そして,測候所のうちのどれほどが信用できるものか,という問題がある。 偏差の基準とする平均気温は,「○年から○年までの気温の平均」を取った。 そして気温変動を,この基準値からの偏差の変動として表した。 この処理をすると,気温変動グラフは縦軸の目盛りが 0.1度刻みのものになる。 実際,唱えられている「地球温暖化」は,「50年で1度上昇,100年で2度上昇」といったレベルのものである。 ひとを脅すには指数関数的上昇のグラフが欲しいところだが,CO2 は濃度が2倍になると気温上昇度も2倍となるようなものではない。( 「温室効果」とは ) しかしひとは「地球温暖化」に洗脳されてしまっている(註)ので,身近な気象にことごとく「異常」を見るようになっている。 「平均気温1度上昇」は,いま経験している日常的気温変動のベースが1度押し上がるということである。 「いまの気温は異常」と言っている者が比べていることになる「以前の気温」は,50年前でも1度も違わない。 日々10度くらいの気温変化を当たり前にしている者が,どうして50年前と比べて1度も違わない気温を「異常」と感じられるのか? これはどういうことかというと,人は妄想を見るものであり事実を見るものではないということである。 実際,科学は人を<事実を見る者>へと導こうとするものであるが,人は科学との相性がよくない。 ──相性の悪さは,根底的なものである。
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