積雲が発達していくと雲頂がぼやけて筋状の雲(巻雲)が見られるようになります。
この状態から積乱雲といわれ、これが雷雲です。
雲頂の巻雲が強い風に流されて水平に拡がり、カナトコ状になる積乱雲もあります。
雲頂は-20℃以下となり、水蒸気はほとんどが凝結して雨粒とあられや氷晶の数が増加します。
氷晶は互いにくっつき合って大きくなり、やがて雪やあられに成長します。
上昇流が強いと、あられはなかなか落下しません。
あられや氷晶が上昇下降を繰り返し互いに衝突して電荷を帯びるようになります。
このとき電荷の分離が起こり、軽い氷晶はプラスの電荷を帯びて上昇します。
-10℃より低温のあられはマイナス、高温のあられはプラスの電荷を帯びて下降します。
こうして雲の上部にプラスの電荷、-10℃以下の中層はマイナスの電荷、それより下の層はプラスの電荷に帯電します。
あられ等は落下する途中で溶け、地上では雨が降り出します。
それに引きずられるように下降流が生じます。
雷も発生し、雨は一段と激しくなり、あられや雹を伴うこともあります。
雨粒が蒸発することにより、気化熱を奪われて冷やされた空気は重くなり、下降流はさらに速度を増します。
雲内では下降流域が次第に広がり、冷えた下降流は地面に到達すると周囲へと広がっていきます。
この冷気の先端はガストフロントと言われ、ガストフロントの通過後は、冷気に覆われ、気温が急降下するとともに地上気圧は急上昇します。
雨が継続するにつれ、下降流域は下層から拡がり、やがて雲全体に広がったときが最盛期の終了です。
最盛期の持続時間は15〜30分程度で雲頂は十数kmに達することがあります。
|