Up 水蒸気→水/氷 作成: 2022-06-10
更新: 2022-06-10


    雲生成の最初の相は,空気中の水蒸気が水/氷に変わることである。
    これは,気温が下がることによって起こる。

    水分子 H2O 自体に,水蒸気 (気体)・水 (液体)・氷 (固体) の3態があるわけではない。
    水蒸気・水・氷は,それぞれ水分子が最密に集合したときの形を謂う。
    そして,水分子の温度が,最密の形を変えるというわけである。

    水分子の温度って?
    水分子の運動量である。
    温度は,分子の運動量で定義されるものである。
    「温度計をあてたときの値」が温度なのではない。


    暖気が寒気の中に突っ込むとき,暖気は冷やされ,その中の水蒸気の一部が水/氷に変わる。
    これは,寒気に突っ込んだ暖気が周りの寒気と安定均衡に達した形である。
    この「安定均衡」の内容は,
      暖気の温度が下がり,周りの寒気の温度と同じになる
      暖気の空気分子密度が大きくなり,周りの寒気の空気分子密度と同じになる

    ここで,「温度が下がる」と「密度が大きくなる」は同じことだということに,留意すべし。
    「温度が低い」は,分子の運動量が小さいこと。
    そして分子の運動量が小さいことは,「密度が大きい」こと。