Up 気象学者の「偏西風」の想い 作成: 2023-01-08
更新: 2023-09-12


    偏西風は,北半球高緯度圏鉛直対流系の(へり)の風現象である。
    偏西風は,鉛直対流系で説明される。
    しかし気象学は,「偏西風」を独自存在として立てる。


    風は,地表と高層とで流れが異なる。
    高度を上げていくと,天気図では西から東へ流れる模様になる:
Windy.com の 2023-01-07 19:00 天気図を引用。
風の流れ (矢印で表現) が見にくいが,等高線が風の流れを表す。
(風は等高線と平行に流れる!)
なお,等高線が見やすいように,カラーをグレーに変換。
さらに,画像クリックで拡大表示へ。
地上


900 hPa 面


850 hPa 面


700 hPa 面


500 hPa 面


300 hPa 面


150 hPa 面


    「西から東へ流れる風」の模様は,見かけである。
    風は,実際は上昇したり下降したりしている。
    しかし気象学は,これを「西から東へ水平に流れる風」と見る。

    実際,ひとは以前から「西から東へ水平に流れる風」を見立て,「偏西風」と呼んできた。
    気象学は,これを踏襲する。