Up 『大気移動の方程式』の構成/読み方 作成: 2022-10-08
更新: 2022-10-08


    本テクストは,計算が満載である。
    そして,数学的なボトムアップの構成になっている。
    頭から順々に読むという代物ではない。
    本テクストは,はじめに構成の逆順に眺めるものである。
    即ち,つぎの順に眺める:
    1. 気象学は大気の移動方程式を誤る
    2. 自転球体上移動のカオス性
    3. 移動軌跡のグラフ
    4. 移動方程式
    5. 加速度の導出
    これが芯であり,残りは "proof" ──本テクストの論を胡散臭いと思う者に対する proof ──である。
    実際,ボトムアップは "proof" の方法論であり,この方法論の学を担ってきたのが数学というわけである。 (昔は「論理学」というのがあったが,いまは数学に吸収されて無くなった。)


    本テクストの方法は,「移動方程式」までは数学的演繹である。
    物理法則の類は一切使っていない。
    よって「移動方程式」が当たっているかどうかは,数学的演繹に間違いがないかどうかでチェックできる。

    「移動方程式」の計算は,プログラムに写すことができる。
    そのプログラムに対するチェックは,「バグ・フィックス」である。

    しかし,プログラムの出力が当たっているかどうかは,チェックのしようがない。
    そのプログラムの出力は,コンピュータという(なま)ものがすることである。
    面倒な計算式を時間離散化の区分求積で計算しているので,誤差の累積がけっこうなものであることは容易に想像できる。
    しかし,これはチェックのしようがない。
    「他のコンピュータやプログラムシステムでは出力がどうなるか」という形のチェックしかない。

    というわけで,「移動軌跡のグラフ」は,大いに割り引いてこれを見られたい。