Up 大気移動の方程式 : はじめに 作成: 2022-09-28
更新: 2022-09-28


    球体の表面 (球面) を直進する。

    この移動の軌跡は,大円 (中心が球体の中心である円) になる:

    \( P \) から一周の軌跡を<経度-緯度>のグラフにして描けば,つぎのようになる:


    ここで,球体が自転する球体であるとする。
    ──地球はこの場合である。
    すると,上の移動の軌跡に変化が生じる。

    この変化は,つぎのダイナミクスによる:
      移動は,その都度 (即ち,位置 \( P \) とそこでの速度 \( {\bf{ v }} \) に応じて) 加速度を呼び込む。
      そしてこの加速度により,速度 (進行の向きと速さ) が変化する。
      以上の繰り返し。

    移動の軌跡は,<どの地点からどんな速度で出発するか>で決まるはずである。
    しかし移動の実際は,位置・速度と加速度のフィードバック・ダイナミクスのために,予測を許さないものになる。
    即ち,この移動は,カオス力学の謂う「カオス」の部類になる。


    しかし,気象学の大気力学は,この捉えをしない。
    彼らは,「見かけの力」「角運動量保存」の謬論を以て,「大気移動」を別モノ化する。

    彼らを権威とする学習者は,この別モノ化された「大気移動」を鵜呑みにする。
    この鵜呑みが,権威を益々権威化する。
    別モノ化された「大気移動」は,このフィードバック・ループによって,絶対 (「科学的真理」) になる。

    これは,一見,救いのない構造である。
    しかしどれほど救いのない構造であるかは,突いてみないとわからない。
    というわけで,ここに「自転球体上移動方程式」を,気象学の「大気移動」を明確に却ける論として,書き留めておくとする。