Up 妄想「フェレル循環 (関接循環)」 作成: 2022-07-04
更新: 2024-05-15


      Wikipedia「フェレル循環」
    太陽から地球への熱供給は赤道から極に近づくほど少なくなる(熱供給の緯度差)ため、ハドレー循環によって緯度30度付近に中緯度高圧帯、極循環によって緯度60度付近に高緯度低圧帯ができる。‥‥
    この気圧帯によって引き起こされる気圧の不均衡が、フェレル循環を発生させる。
    この気圧の不均衡は「南高北低」(北半球の場合。南半球は逆)となるが、これは熱供給の緯度差によって気圧が「南低北高」となることと矛盾しており、フェレル循環が不完全であることを表している。
    フェレル循環は、熱力学的に見るとハドレー循環と極循環の2つの大循環によって引き起こされる2次的な循環だといえる。
    気圧が「南高北低」となる原因ははっきりと解明されていないため、「フェレル循環は存在しない」との主張もある
    フェレル循環によって、極東風や貿易風とは正反対の向きに風が発生する。これは偏西風と呼ばれている。
    偏西風はフェレル循環と極循環の境界付近で最も強くなり、ジェット気流と呼ばれる強い西風となる。‥‥
    ハドレー循環や極循環が1つの閉じられた大気の渦であるのに対して、フェレル循環は閉じておらず不完全で、地上付近ではその影響が顕著に現れる。
    大気の高層で風が西寄りのときにも、地上付近ではそれに関わらずさまざまな向きに風が吹くことが多い。

      田中博 (2007), p.12

    ハドレー循環と極循環は低緯度側で暖気が上昇し高緯度側で寒気が下降する。
    一方、フェレル循環は温帯低気圧の渦巻きが偏西風に流される際に、暖気が高緯度側で上昇し寒気が低緯度側で下降するという運動を横から見たものである。
    けっして低緯度で暖気が下降し高緯度側で寒気が上昇しているのではないことに注意。


    上図の「極循環・フェレル循環・ハドレー循環」は,それぞれ南北幅が 1/3 万km。
    一方,対流圏の厚さは,緯度や時季によってずいぶん違ってくるが,約11km。
    各 "cell" は,厚さが南北幅の 1/303。
    非常に薄い層である。
    ── 標準コピー紙 (厚さが 0.1 mm) に喩えると,30.3 cm 幅の紙!
    こんな薄い層の対流は,上の絵のような対流にはならない。

    「極循環・フェレル循環・ハドレー循環」は,Hadley モデルというもので,18, 19世紀の産物。
    今日のハイテク気象観測は,このようなものの存在しないことを明らかにする。


    「フェレル循環」については,気象学は,上の引用文に見るように「関接循環」としてこれを維持しようとしているが,無駄なことである。
    そしてこの妄想は,田中博 (2007) の「フェレル循環は温帯低気圧の渦巻きが偏西風に流される際に」の言に見えるように,偏西風」の捉え違いの延長なのである。


  • 引用/参考文献
    • 田中博 (2007) :『偏西風の気象学』(気象尾ブックス016)), 成山堂, 2007.

  • 引用/参考Webサイト