Up 「温室効果」とは 作成: 2022-07-04
更新: 2022-08-27


    「地球の熱収支」が,つぎのように考えられている:
    • 太陽放射の地球入射 100 に対し,反射 30, 吸収 70
    • 吸収した分だけ放射 : 70

    地球の熱吸収は,2.40 × 102 J/(秒・m2):
      地球に入射する太陽放射エネルギーは:
        1.37 × 103 J/(秒・m2)
      これの 70/100 倍は,
        1.37 × 103 × 0.7 = 2.40 × 102 J/(秒・m2)
    地球の熱放射は,「吸収した分だけ放射」なので, 2.40 × 102 J/(秒・m2)。

    この熱放射を「黒体放射」とみなして,ステファン・ボルツマンの法則
      E = σT4
      σ = 5.67 x 10-8 (J/(秒・m2・K4))
    を適用すると,地球の温度 (地表温度) が −18 ℃ になる:
      2.40 × 102 = σT4 = 5.67 x 10-84
      4 = (2.40 × 102) / (5.67 x 10-8) = 4.23×109 K4
      T = 255 K = (255 - 273) ℃ = −18 ℃


    しかし実際の地表温度は,気象学者によれば平均して 15°C。
    そこで,気象学者は15°C と −18 ℃ の差が何であるかを考える。
    そして導き出したのが,「温室効果」「温室効果ガス」。


高度と気温, 温室効果ガス濃度の対応
Wijngaarden & Happer (2020), p.3


地球の熱放射スペクトルに示される温室効果ガスの効果
Wijngaarden & Happer (2020), p.13
Koonin (2021), p.80
横軸は周波数,縦軸は放射量
青のなめらかな曲線は,大気が無い場合
緑は,温室効果ガスから CO2 を除いた場合
黒は,温室効果ガスがすべて揃った場合
赤は,CO2 の濃度をいまの2倍にした場合 (黒とさほど変わらず)


    上のグラフの黒と赤の関係が示すように,温室効果ガスは
      増えた割合に見合って気温が上がる
      減った割合に見合って気温が下がる
    というものではない



  • 引用/参考文献
    • Wijngaarden,W.A. & Happer,W. (2020) : Dependence of Earth's Thermal Radiation on Five Most Abundant Greenhouse Gases
        https://arxiv.org/pdf/2006.03098.pdf
    • Koonin, Steven E. : Unsettled: What Climate Science Tells Us, What It Doesn't, and Why It Matters
      • BenBella Books, 2021.
      • 三木俊哉[訳]『気候変動の真実 科学は何を語り、何を語っていないか?』, 日経BP, 2022.

  • 参考Webサイト