Up 「風の息」 作成: 2023-01-05
更新: 2023-01-05


    風は,短時間のうちにも,速い・遅いを繰り返している。
    これを, 「風の息」と謂う。


    風は,渋滞した車の動きと同じである。
    渋滞した車の動きは,全体が同じのろのろで動いているのでは無い。
    疎密を繰り返している。
    即ち,車が密になってほとんど動けないときと,車が疎らになって走れるときが,繰り返される。
    これは何が起こっているかというと,前進移動する車の集団の中に疎密波が生じているのである。

    空気粒子の動きに自由な動きというものは無い。
    空気粒子はいつも互いの押し合いへし合いになっている。
    この押し合いへし合いは,疎密波を生じる。

    風は,空気粒子が同じ速度で動いているのではない。
    風の中にも,空気粒子の疎密波が生じている。
    密に当たるところは空気の流れは遅く,疎に当たるところは速い。
    これが,「風の息」である。


    備考
    <集団の中の波の伝播>の方向が<個の動き>の方向と同じであるとき,その波を「縦波」と呼び,垂直であるとき, 「横波」と呼ぶ──と学校で教えられる。
    水面に広がる波は,水粒子が上下運動しているだけであり,「横波」ということになる。
    音波は,媒体の粒子が音波の進む方向に前後運動しているだけであり,これは「縦波」である。
    電磁波は媒体の存在しない波であるから,「縦波・横波」の区分は無意味になる。
    また,媒体が存在しないから,<縦波=疎密波><横波=凹凸波>に類する形も存在しない。
    電磁波の sin グラフの絵は,ひとに電磁波を凹凸波だと思わせるようである。
    その絵は,あくまでも電磁波の位相の時間変化を表現したもの。
    <縦波=疎密波>も,位相の時間変化のグラフを書くときは,凹凸波の絵になる。