Up 風が等圧線と平行に流れる理由 作成: 2022-07-20
更新: 2022-07-20


       白木 (2022), p.24
    ‥‥ 等圧線が平行に分布しているとき, 空気塊は‥‥ 気圧傾度力により等圧線に直角に, 気圧の高い方から低い方へ動き始める。
    空気塊が動き出すと風速に比例したコリオリ力が働き, 北半球の空気塊は右に曲げられて進む。
    やがて‥‥ 気圧傾度力とコリオリ力は大きさが等しく向きが反対になり,空気塊は等圧線に平行に進むようになる。
    このように, 気圧傾度力とコリオリ力が釣りあった状態で吹く風を地衡風という。‥‥

    これは,間違い。
    この説に従えば,例えば北半球の低気圧は,左巻の風の渦にはならない:


    風が等圧線と平行に流れる理由は,おおよそ以下のようになる。

    ○ 低気圧の場合
    低気圧では,収束する気流の渦の発生が先ずあり,収束点が低気圧になる。

    渦の中の気圧は,その収束点の気圧へと段々に降下するふうになる。
    この気圧分布の説明は,流管に対する「ベルヌーイの定理」である:
     「流れが速くなると(静)圧力が下がり,流れが遅くなると(静)圧力が上がる」


渦の流管

    以上の結果として,風は低気圧の等圧線と平行に流れる。


    ○ 高気圧の場合
    高気圧は,気団がこれの実体である。
    「気団」の内容は<外部の空気より濃い空気>であり,濃い空気は薄い空気の側へ拡散していくので,気団は山の形になる。
    よって,気団の底面は,縁に向かって気圧が段々と低くなる。

    密度の小さい空気の流れは,この気団をよけるように流れることになる。
    川の中では水が障害物をよけるように流れているが,これと同じである。

    以上の結果として,風は高気圧の等圧線と平行に流れる。


  • 引用文献
    • 白木正規 (2022) :『新 百万人の天気教室 (2訂版)』, 成山堂書店, 2022.