Up 互いにもたれ掛かる 作成: 2015-08-31
更新: 2015-08-31


    草の茎は,か細い。
    これで立っていられるとは,とても思えない。

    実際,草は独りでは立てない。
    互いにもたれ掛かることで,立っている。
    草は,「密生」が存在の形である。

    他の物に寄り掛かって成長する個体は,自分では支えられない図体をつくっていく。
    ひょろひょろと身長を伸ばす。
    この個体は,寄り掛かっているものが外されれば倒れてしまう。

      人は,互いにもたれ掛かって立っている草と同じである。
      特に,自分では支えられない図体をつくることになる。
      寄り掛かっているものが外されれば,倒れてしまう。


    独りで立っている個体もある。
    それは,独りで立つ羽目になった個体である。
    このときは,茎を丈夫にし,カラダの大きさを茎の強度と応分に抑えることになる。
    カラダを大きくするには,茎を太く頑丈にすることが条件である。
    小さいカラダでも,茎は頑丈でなければならない。

    こうして草は,カラダの大きさ・強度において,個体差がひじょうに大きいものになる。


    互いにもたれ掛かって立つことも独りで立つことも,均しく理の貫徹である。
    是非も優劣もない。