Up <個体>の固定 : 要旨 作成: 2015-06-14
更新: 2015-06-23


    雑草観察は,個体の固定ができると都合がよい。
    しかし,雑草は,個体の固定が困難である。

    ここで「困難」というとき,樹木の場合と比較している。

    観察者にとって,つぎのような個体は固定が困難になる:
    • 存在が,他のものと紛れる・背景に溶け込む
    • カラダが変化する
    そしてこれらの性質は,観察者と相対的である。

    即ち,雑草は,人に対し,相対的に小さい。
    よって,他のものと紛れやすい・背景に溶け込みやすい。
    樹木は,人に対し,相対的に大きい。
    よって,他のものと紛れにくい・背景に溶け込みにくい。
    雑草は,人に対し,カラダの変化が速い。
    よって,個体の固定を維持しにくい。
    樹木は,人に対し,カラダの変化が遅い。
    よって,個体の固定を維持しやすい。

    もっとも,人に対しカラダの変化が遅いとは,翻って,ライフサイクルのうちの小さな区間しか追えないということである。
    樹木は,この場合である。
    雑草はこれとは逆に,全ライフサイクルを追うことができる。
    実際,雑草は,一生が1年のうちに展開される。