Up 「種の同定」という転倒 作成: 2015-08-31
更新: 2015-08-31


    見るからに違う個体aとbがある。
    a,bを異種と見立てる。
    aの属する種Aとbの属する種Bを立てる。

    ここで,A,Bどちらとも言えない個体cが見出されてくる。
    ひとはこのとき「どちらとも言えない」を認めることができない。
    A,Bいずれかでなければならないと考える。
    A,Bいずれかに定めるのが無理なときは,cの属する種Cを新たに立てる。

    この「種の同定」は,転倒である。
    己が都合的に導入したものに,己を従わせ,己を縛る。

    もっとも,<自縄自縛>は人において普通・一般的なことである。
    都合的に導入される規則・規準は,つぎには人を支配するものになる。
    人は,リアルをイデアの影と定める倒錯をやる存在である。