Up 種類を見る : 要旨 作成: 2015-06-28
更新: 2015-07-01


    雑草の個は,種類の個として存在している。
    雑草を見るとは,雑草の種類を見ることである。

    <種類>は,世界を分節化し構造化する。
    見える種類が一つ加わることは,雑草の世界がまた一段飛躍的に見えるようになることである。

    同種・同類が見えるとは,同型が見えるということである。
    同型の認識は,形が措定される契機である。

    形が意識の対象になると,「形の当て嵌め」という対象認識が可能になる。
    「形の当て嵌め」は,「違うが同じ」をやることである。
    違うのは個であり,同じなのは形である。
    そして,この場合,《同じ形を見る=同じ種類を見る》になっている。
    種類と形は同時の契機」ということである。

    「違うが同じ」をやることは,違うものを一つに括ることである。
    これの効果は,<整理>である。
    混沌の中に一つの区画がつくられる。
    「形」の案出による「違うが同じ」を積んでいくことで,混沌の<整理>が進む。

    この<整理>は,「人工化」の一種である。
    この<整理>は,人にとって便利なものである一方で,重要なものを落ちこぼしてしまう。
    だから,「記号化」「分類学」の類を,信用してはならない。
    これらに対しては,不信で臨むことが肝要である。
    便利と大事は違うのである。