Up 「先住権」訴訟 作成: 2020-01-14
更新: 2020-01-14


      読売新聞 北海道版, 2020-01-14
    アイヌ「先住権」提訴
    4月にも 浦幌協会
    サケ漁規則不適用確認
     浦幌町の浦幌アイヌ協会 (差間正樹会長) は、水産資源保護法などで禁じられた河川でのサケ捕獲が、先住民族が持つ権利「先住権」に当たるとして、法律や規則が適用されないことの確認を求め、国と道を相手取って訴訟を起こす方針を固めた。アイヌ民族による先住権の確認を求めた訴訟は初めて
     差間会長と原告側代理人の市川守弘弁護士によると、4月にも札幌地裁に提訴する。

     先住権は、土地や資源の利用権、政治的な自決権などを意味し、2007年に採択された国連の「先住民族権利宣言」でも認められている。ただ、アイヌ民族を「先住民族」と初めて明記した昨年4月成立のアイヌ施策推進法では先住権について定めなかった。
     同協会によると、十勝川下流の浦幌町周辺には、複数のアイヌ民族の集落があり、明治時代まではサケ漁を行っていたという。しかし、近代の法整備によって禁止された経緯がある。このため、同協会は訴訟で「自由にサケ漁をすることができる先住権がある」などと訴える見通しだ。
     市川弁護士は提訴の時期について、アイヌ文化復興の拠点「ウポポイ」(民族共生象徴空間) が白老町にオープンする4月に合わせたと説明。差間会長は「先住民族として存在しているアイヌ民族の権利を求めたい」と話した。

      浦幌アイヌ協会


    「先住権」訴訟が起こることは,『先住民族法』立法の含蓄である。

    景気対策最優先を掲げる政治は,この含蓄を見ないようにする。
    あるいは,金で懐柔できるとたかをくくる。

    しかし,ひとはパンのみにて生きるにあらずというわけである。
    アイヌ民族主義を自身の政治イデオロギーにする者は,「アイヌ=先住民族」が認められるようになれば,「先住権」に文字通りの内容をもたせる運動を開始する。
    そしていまは「アイヌ=先住民族」を認める法を得ているのだから,運動は「法廷闘争」を方法にすればよい。

    サケの捕獲は,「アイヌ」イベントに許可された。
    しかし,「先住権」が与えられた者は,そんなお目こぼしのようなやり方は却けて,堂々と「自由にサケ漁をさせろ!」を提訴できる。


    そして,「サケ漁」などは「先住権」の外延の序の口である。
    『先住民族法』は,パンドラの箱になることがわかっていた。
    しかし政治家とは,後のことは知らぬの(てい)で立法してしまうものである。
    いまからは,社会がこれの尻拭いをするステージである。
    ──是非も無し。

    もっとも,訴訟する側も,ヤブヘビの危険を負う。
    「サケ漁」の場合だと,《「自由にサケ漁」とは「だれによる・どのようなサケ漁」なのか?》という問題が俟っている。
    法治社会では,その「だれ」「どのよう」は不特定ではあり得ないからである。
    行き着く先は,「資格者名簿作成・免許証発行」であるのみ。
    さて,一体どんなことが起こるか?


    ところで,
     「 市川弁護士は提訴の時期について、アイヌ文化復興の拠点「ウポポイ」(民族共生象徴空間) が白老町にオープンする4月に合わせたと説明。」
    然り,「ウポポイ」オープン日は,「アイヌ先住権」運動スタートの日に仕立てることができる。
    アイヌ観光を成功させねばならない自治体はすべて,マスコミ北海道支局はすべて,「ウポポイ」オープンを祝福することを以て,「アイヌ先住権」運動のスタートを祝福する者になる。
    「アイヌ先住権」運動は,これら自治体・マスコミのバックアップを得ている格好で展開できるようになるわけである。